ランウェイで笑って 猪ノ谷言葉/講談社
人生に迷ったり、精神的に参ったりしている時期は、つい漫画を買い込んでしまう。
小説を読むのにはある種の気力がいるけれど、漫画は本を開く元気さえあれば流し読みでもある程度内容を追えるところが、いい逃避になるのだと思う。
ちょっと前まで人生で何度目かの闇の中にいたとき、本屋で目について大人買いしたシリーズのひとつがこれ。
才能のぶつかり合い、友人でもあり恋の相手でもあり、夢へのライバルでもある、みたいな一言では言い表せない関係を描いた作品が好きで、「ランウェイで笑って」はファッションをテーマにそういうものを描き出す作品だと思っている。
超個人的な偏見として、漫画が好きな人は作中に「推し」を見つける人が多いと思う。
その推しキャラが作品を追うモチベーションになっているパターンが多いと勝手に思っているのだけれど、私はほとんど物心付いたときから漫画を読み続けているにも関わらず、あまり作中のキャラ1人だけを熱烈に好きになることがない。
関係性を見るのが好きである以上、作中のキャラほぼ全員に興味が持てないとそもそも作品を追う気にならないのだと思う。
千雪と育人、育人と心、千雪と心、心とマネージャー、育人と遠……おそらく作り手の狙い通り、主人公2人と周りのそれぞれ才能のある人たちとの関係の熱さが好きで、どう展開していくのかが知りたくて追っている。
週刊連載なので、バンバン単行本が出るのが嬉しい。
今日最新の8巻を買ってきた。
早くも9巻が楽しみである。